8月11日施餓鬼
📅 2026.08.12
2026年8月11日10:00 本堂にて施餓鬼が行われました。
姫路出身の歌手の藤野ひろ子さんに"たまゆら"を歌って貰い、涙する人も数人いました。
施餓鬼(せがき)は、唐の時代に仏教の修行・法要の一環として確立され、平安時代に日本へと伝わりました。その後、日本の民間信仰や先祖供養の習慣と結びつきながら、独自の発展を遂げて現在へと受け継がれています。
特に中国禅の流れを深く汲む臨済宗において、施餓鬼は非常に重要な意味を持っています。その象徴的な由来として知られるのが、お釈迦様の弟子である阿難(あなん)尊者の故事です。阿難尊者はある日、餓鬼から「お前はあと3日で命が尽き、餓鬼道に落ちる」と告げられます。その難を逃れるため、お釈迦様の教えに従って無数の餓鬼や無縁の霊に食糧を施し、供養を行ったことが施餓鬼の始まりとされています。
臨済禅における施餓鬼の真義は、単に特定の故人や身内を供養することにとどまりません。口に入れると火となってしまう餓鬼道の食べ物を、仏の教えと供養の功徳によって「障りのない糧」へと変え、餓鬼道で苦しむ者を救い出します。そして、縁のある者だけでなく、無縁仏や生きとし生けるすべての存在(一切衆生)、さらには動物の霊に至るまで等しく食糧と功徳を施します。
利他の心を持ってすべての命に手を合わせる――唐の時代に整えられた法要の形は、臨済宗の「一切衆生を救う」という深い慈悲の精神と重なり合い、現代の日本においても大切な行事として受け継がれています。